「我々は現在、業界の回復5年目に突入しています。世界的に、2億8千万人を超えるストリーミング利用者がいます。そして、まだまだ成長する余地があると我々は考えています」
ワーナー・ミュージック・グループが最新の成長率を明らかにした最新の業績報告において、同グループCEOのスティーブ・クーパー氏は語った。「アメリカやイギリスなどの確立された市場が、引き続き順調に成長している一方で、ブラジルやロシア、中国、インドネシア、インドなどの新興市場には、未開拓の大きな可能性があるのです」
暦年の第3四半期は、ワーナー・ミュージック・グループの会計年度上では第4四半期にあたるため、同グループの四半期および年次財務結果の両方が発表された。通年収益は、デジタル収益15.9%成長の26億1千万ドルを含む、11.7%成長の44億8千万ドルとなった。
「今年度における弊社のストリーミング収益は26%成長し、初めて20億ドルを突破しました。10年前には殆ど無に等しく、5年前には20%未満でしたが、現在では総収益の50%を優に上回っています」とクーパー氏は説明している。
ワーナー・ミュージック・グループの録音原盤収益は14.3%成長し、16%成長したデジタル収益23億4千万ドルを含む、38億4千万ドルとなり、全体の61%を占める結果となった。しかし、ワーナー・チャペルの年間音楽出版収益は、デジタル収入が14.3%増加したにも関わらず、1.5%減の6億4,300万ドルとなった。
「サブスクリプションの将来について確信している様に、我々の業界で唯一普遍的なのは変化であると確信しています。新しい機会を活用し、業界の課題を克服するためには、常にビジネスを進化させ、多様化を進めていく必要があるのです」とクーパー氏は強調した。
ワーナー・ミュージック・グループの業績が報告されたため、ミュージック・ビジネス・ワールドワイドが発表したユニバーサル・ミュージックとソニー・ミュージックの暦年上における第3四半期の業績に関する分析を活用して、世界三大メジャー・レーベルを比較することができる。
前四半期、ワーナー・ミュージック・グループの録音原盤収益は前年同期比10.4%増の9億5,300万ドルとなり、対して、ユニバーサル・ミュージック・グループは13.3%成長の16億ドル、ソニー・ミュージックは10.5%成長の10億4千万ドルとなった。録音原盤のデジタル収益に関しては、前年同期比の成長率はワーナーが13.4%、ユニバーサルが21.5%、ソニーが13%となっている。