アプリ分析企業のSensorTowerとApp Annieがそれぞれ、YouTubeとYouTube Musicに関する分析を発表した。
SensorTowerの分析は、より一般的な内容になっている。SensorTowerによると、2019年第2四半期、YouTubeはアップルのApp StoreとAndroidのGoogle Play Storeにおける「写真と動画」カテゴリーにおいて、世界的に最も売れたアプリとなったという。YouTubeのユーザーはアプリ内で「1億3,800万ドル(約146億5千万円)近く」消費しており、その額は第1四半期の合計の倍以上だとSensorTowerは報告している。ちなみにこの消費額は、有料プランのYouTube Premiumと、YouTube Liveにおける「スーパーチャット」の投げ銭からの収益を合わせたものだが、特に音楽に限った数字ではない。
App Annieの分析は、YouTube Musicに焦点を当てている。「世界におけるYouTube Musicのスマートフォン月間アクティブ・ユーザー数は、前年比で170%の成長を見せ、SpotifyやApple Music、SoundCloudなどの主要競合企業の成長率を上回った」とApp Annieは発表している。ただ、実際のユーザー数に関しては発表されておらず、記載されているのは、様々なサービスの成長率に関する前年比との比較チャートのみだ。
App Annieは、月間アクティブ・ユーザー数の観点では、Spotifyが未だに最も人気な音楽ストリーミング・スマートフォンアプリだと分析しており、2位Apple Music、3位SoundCloud、4位Pandora、5位Amazon Music、6位YouTube Music、7位インドのサービスのJio Saavn、8位同じくインドのサービスのGaana、9位TuneIn Radio、10位Deezerが続いている。
YouTube Musicが有料会員からどれほどの収益を上げているかはこれらの数字からは定かではないが、SoundCloudやYouTube MusicなどのアプリのオーディエンスをSpotifyやApple Music、Amazon Musicなどのその他のストリーミングサービスと比較する数少ないチャートとなっていることは事実だ。
ただ、これらの報告には、注意すべき点もいくつか存在する。JioSaavnとGaanaはともに、自社の統計では1億人以上アクティブ・ユーザー数がいると主張しているが、両社ともに、Apple Musicよりも下位となっており、Apple Musicと言えば、有料会員数が6,000万人いると言われており、無料お試しユーザーを合わせても1億人には到達しないと予測される。可能性としては、Apple Musicではなく、アップルの「Music」アプリの月間アクティブ・ユーザー数をカウントしていることも考えられなくはない。もしくは、インドのサービスによる主張を疑っているということもあるかもしれない。